日本の1回の採卵あたりの出産率が60ヶ国中最下位は本当か❶

患者さんからこのような質問を頂きます。

すごく不安そうに。。。

「本で読んだのですが、私が通っている不妊治療は世界と比べると出産まで至る可能性が凄く低いんですよね。。。」

???

と子宝先生は考えました。

何を読んだの?

早速取り寄せてみました。

興味ある方は読んでみて下さいね。

この本に書いてある通りで、日本は不妊治療をしている施設は正解で一番多いのです。

「そして日本の生殖補助医療による出産率は主要60ヶ国の中でも最下位である」というのです。

こんな記事を読んだことないですか。

日本は、体外受精の実施件数が世界一多いのに、1回の採卵あたりの出産率は世界最下位。じつは日本は「不妊治療で出産できない国、世界1位」だったのです。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55220

意外と知られていない事実がある。日本では生殖補助医療の実施件数が多いにもかかわらず、出産率が低いのだ。
世界各国の生殖補助医療の実施状況をモニタリングしている組織「国際生殖補助医療監視委員会」が実施した調査では、日本の生殖補助医療の実施件数は60カ国中、第1位だったにもかかわらず、出産率は最下位の6.2%というショッキングな結果が出ている。
https://toyokeizai.net/articles/-/168431

これらの記事にはこのようなグラフが掲載されています。

生殖補助医療の実施件数と出産率

Human Reproduction,Vol.31,No7 pp.1588-1609,Advanced Access publication on May 20,2016
https://academic.oup.com/humrep/article/31/7/1588/1749683
graph1

PDFファイルはリンク先から18ヶ国を抜粋しました。

このグラフを見ると日本は生殖医療の実施件数242833(青い棒グラフ)に対して出産率は6.2%(赤い折れ線グラフ)となっています。確かにこのグラフを見ると日本の出産率は他の国と比べると非常に低いですね。

そうか。。。これを見ての不安発生だったのですね。

ただこのグラフを見ると違和感を感じましたので、元のデータを調べてみました。

このグラフの違和感は以下の

❶ 不妊治療を受けた年齢別の妊娠率ではないので、世代別の妊娠率はどうなの?
❷ 日本では胚移植の際に1個のFET(凍結胚移植)又はFreshET(新鮮胚移植)が通常ですが、海外ではそうではないのでこの妊娠率の胚移植方法はどうなの?
❸ 日本ではまだまだ臨床数は少ないですが、PGS(又はPGD)は行われていないのか。
❹ 子宝先生の所でも何名か卵子提供による妊娠出産をしていますが、この妊娠率には入っているのか。※日本国内では卵子提供による体外受精、顕微授精は行われていない。

です。この四点について順番に調べたいと思います。

日本の1回の採卵あたりの出産率が60ヶ国中最下位は本当か❷

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