日本の1回の採卵あたりの出産率が60ヶ国中最下位は本当か❸

続きです。以前の記事はこちらから
日本の生殖補助医療による出産率は本当に最下位なのか。

前回の疑問は

日本では胚移植の際に1個のFET(凍結胚移植)又はFreshET(新鮮胚移植)が通常ですが、海外では必ずしもそうではないです。

国別出産率の胚移植方法はどうなの?という疑問を解決したいと思います。

日本は初めての胚移植の方は1個を戻します。しかし、海外では複数個の胚移植が多いようです。

複数個胚移植を避ける理由については

こんな記事が流れてきました。

The most significant risk of ART treatment is multiple gestations due to the transfer of more than one embryo and the associated risks to both mother and baby.
多胎妊娠のリスク

生殖補助医療において複数の胚移植による多胎妊娠は母子共に最もリスクです。
特に高齢になればなるほど命の危険度が上がります。

海外では実際いくつ戻しているのでしょうか。
そしてその臨床割合はを調べてみました。

生殖補助医療の実施件数と出産率
今何を解説しているか?
このグラフが沢山出回っていますが、条件が違うのでは?という疑問を解消するためです。

今回は、凍結胚移植、新鮮胚移植の単・複数(2から4)合計回数の割合をグラフにしてみました。

データをまとめたファイルはこちらからご確認ください。

国別単・複数胚移植割合

こちらが国別胚移植の数の割合です。日本とスエーデンは7割以上が単胚移植ですね。
新鮮胚移植でも凍結胚移植でも妊娠率が高かったアメリカは5割以上が2個以上の胚移植ですね。

もちろん日本でも2個移植、3個移植はあります。最近は3個以上はほとんどないと思われます。
子宝先生の患者さんで過去3個移植をされた患者さんが双子ちゃんを出産されましたね。

つまり日本の出産率が低くなるのは、単胚移植が多いからと読み取ることが出来ます。

それにしてもスウェーデンは日本よりも単胚移植が多いのにも関わらず出産率が非常に高いですね。

次のテーマは、世代別での割合を調べてみたいと思います。

日本の1回の採卵あたりの出産率が60ヶ国中最下位は本当か❹

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